くれいじーはーつ

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『たまこラブストーリー』の感想。一度は観て欲しい名作

 

青春のキラキラしたところを遠くから眺める尊さ。ぜひ観て欲しい。

 

公開は2014年ともう4年も前の作品になりますが、『たまこラブストーリー』は素晴らしい作品です。今ならAmazonプライム会員特典で明後日10/12まで見放題なので今のうち、そうでない人は借りてきてぜひ観て欲しい。(2回目)

 

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映画『たまこラブストーリー』はTVアニメ『たまこマーケット』のおちゃらけた雰囲気とは打って変わった、タイトル通り"とてもきれいな"超青春ピュアラブストーリー。TV版はもうこっちをやるための布石だったんじゃないかというくらい、きれいな作品です。ちなみにTV版見てなくても大体キャラはつかめると思うので見なくても大丈夫です。もちろん細かい関係性はありますが、推測できますし、本筋の「たまこはモチが好き」「もち蔵はたまこが好き」ここさえ抑えておけば問題ありません。

 

たまこ=女の子が主人公なせいなのか、それとも演出の妙なのか…不思議と感情移入して観るというより、2人の関係を微笑ましく眺めているような気分になります。それだけキャラが立っているということですかね。たまこがもち蔵への恋愛感情を自覚して照れてしまう流れなんかはもうとても可愛いんですが、それを観ている自分には邪な感情が一切湧かず、純粋に2人の恋を応援できます。

 

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演出的にはロング(引き画)や被写界深度を浅くしたカットが目立ち、メリハリのある画作りになっている印象です。先述のフラットな感情、というのはこのロングに起因していて、表情がアップにならないためセリフと風景から心情を察することになるんですが、これが観る側に解釈・気持ちの幅を持たせているように感じます。またキャラが立っているというのも、被写界深度が浅い=背景がボケ気味でキャラにしっかりピントがあっているので、目に付きやすいのではないかと思います。

 

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フレーミングも大胆でグッド。京アニおなじみの足だけカットはもちろん、病院のシーンでのたまこともち蔵のシーンが印象的。

 

映像論的には、例えば画面の中心より左にスペースを空けて人を配置すると未来や希望といった正の印象が、逆に右が空くと不安や悩みといった負の印象がつくといいます。元映像カメラマンなのでこの辺は確かにある話なので信用してね!インタビューとか意識してみてみるといいですよ!…ということでこのシーンを観ると2人とも悩みを抱えているので、こうした大胆なフレーミングも納得ですね。

 

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そして極めつけはその一連の流れの中でイマージナリーラインを壊さないよう後ろに回ったこと、そしてそこでもち蔵の表情を隠して大事な話をさせたこと。どんな顔でもち蔵が話をしていたのか、観る側に解釈を委ねられる…この辺りはもう、素晴らしい演出ですね。たまこの横顔だけ見えるというのがまた憎い!ストーリー的にも大事なところなので、演出も力入ってるんでしょうねぇ。

 

他にもそもそも風景カットがきれいであったり、告白されてオーバーヒートしたたまこが商店街を駆け抜けるシーンが混乱した様子をカラフルに表現していたりとか、特に気にして観る必要はないんですが、しっかり観ると本当に濃い作品です。ぜひ観て欲しい(3回目)

 

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演出については物語る亀さまが詳しく解説してくれていますのでご参考のこと。

 

blog.monogatarukame.net

 

登場人物みんな素敵ですが、喫茶店『星とピエロ』のマスター、八百比邦夫(すげぇ名前)の一言が超かっこいいのでぜひ観てね!

 

「後悔の苦さは…何かをした証」

 

 

…と、真面目に感想書いてこのMADをあげるのはどうかと思いますが、せっかくなので…苦くても!